--複写機を中心とするオフィス機器事業の見通しは
「複写機の国内販売台数は伸び悩んでいるが、欧 州やBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)ではカラー化が進み、カラー機種を中心に輸出が拡大している。国内市場は成熟化しており個々の企業が抱 えた問題解決を図る『ソリューションサービス』と、新たな印刷領域である『プロダクション印刷』事業のように今後伸びが期待できる分野に力を注いでいく」
--北米景気の減速がダメージになりそうだ
「欧州やBRICsが堅調に伸びて北米の減少分を吸収しているが、楽観はしていない。原材料費の値上がりもあって先行きは不透明だ。複写機市場は価格下落 が進んでいて、原材料の値上がり分を製品に転嫁するのは難しい。リサイクル材料の再使用や工程自動化、少量のトナーで高画質印刷ができる省エネ技術の開発 が急務となる」
--プロダクション印刷事業の今後は
「1枚ずつ内容を変えた印刷物を、早く、大量に印刷できるプロダク ション印刷のニーズは高い。企業のマーケティングでも顧客一人一人にあったダイレクトメールやチラシを送る手法が増えており、潜在的な市場も大きい。他社 の参入が本格化して驚異に感じてはいるが、それよりも、競争が激化して市場のパイが広がることに期待をしている」
--どう販売する
「他社に先駆けて市場参入したことで、豊富な製品ラインアップや対応ソフトウエアを持っている。米ゼロックスと 連携した幅広い海外ネットワークを利用できるのも強みだ。大企業をメーンターゲットにしているが、中小企業向けに代行印刷し、製本、袋詰め、配送を一貫し て請け負うサービスも始めた。平成18年度の売上高は1300億円だったが、24年度までには3000億円に引き上げるつもりだ」
--消耗品のトナー需要は拡大している
「今後は従来のトナーより消費電力が20%削減できるエコタイプのトナーが主流になる。エコトナーは国内1拠点で生産しているが、供給が間に合わないほどだ。17年に生産能力を増強したが、需要の伸びを考えれば、2年後には新たな工場が必要になりそうだ」
--M&A(企業の買収・合併)や提携についての考えは
「自社ですべてをまかなえるとは思っていない。今後、弱い部分を補うためにM&Aや提携に踏み切る可能性はある。例えば、金融系システムの構築に強みを持 つシステム会社や電力系に適したサービスを提供するソリューション企業などだ。きめ細かいサービスを幅広く構築するためで、真剣に考えたい」(西村利也)
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