1月31日19時47分配信 産経新聞
カンボジアの世界遺産・アンコール遺跡群にあり、木の侵食で崩壊の危機にさらされている西トップ寺院(9~14世紀)を調査している奈良文化財研究所は 31日、本格的な修復に乗り出す方針を明らかにした。修復に必要なクレーン車は、高松塚古墳(奈良県明日香村)の石室解体装置を開発したメーカーが無償提 供。解体を現場指揮した石工、左野勝司さんも参加予定で、国宝壁画を守ったチームがアンコール遺跡保存で再びスクラムを組むことになった。
西トップ寺院は、石造寺院「アンコールワット」の北西約3キロに位置。高さ8メートル、幅24メートルの中央祀堂(しどう)が中心にそびえる。同研究所は平成10年から発掘調査を行い、構造などを調べてきた。
中央祀堂は、一辺60センチほどのブロック状の砂岩を組み合わせて築造されているが、一帯に広がるジャングルの樹木が建物にもおよび、木の根によって崩壊の危機にある。修復作業は3年後をめどに始める予定で、中央祀堂をいったん解体して石材を積み直すという。
クレーン車や高所作業車など3台は、高松塚古墳の石室解体で石材をつり上げる特殊機器を開発したクレーンメーカー「タダノ」(高松市)が無償提供。2台は3月に現地搬入され、測量調査などに活用される。同社はスタッフを派遣し、現地で操縦士も養成する。
31日には香川県さぬき市の同社工場で車両の寄贈式が行われ、多田野宏一社長は「クレーンがあれば作業も安全にできる。人類の文化的遺産を後世に残すた め使ってほしい」、同研究所の田辺征夫所長は「クレーン技術の高さは高松塚の石室解体で証明されており、心強い」と話した。
Feb 1, 2008
アンコール遺跡修復 あの「チーム高松塚」再結成
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